オイスカ 農業塾秋冬コース  第2回 2006.09.16

畑の様子/白菜・サニーレタス苗の様子/EMボカシについて/EMボカシ作り





★畑の様子★
大根の芽 大根の芽  第1回目は遅刻してしまったので、今回は早めに行き、1週間前に植えたジャガイモと大根の様子を見にいきました。遠くからみると、畑にきれいに並んだ緑色の物が見えてきました。もしや、芽が出ている?これはかなり期待できると思い、足早に畑に行くと、大根の芽がきれいに並んでいました。畝がちょっと曲がっているのはご愛嬌。ほとんど虫に食われていないのは驚きです。EM効果でしょうか。よく関係はわかりませんが、土に力があると、虫もあまりよってこないようです。大根の芽はかなり密集状態なので、来週は間引く予定です。さすがにジャガイモの芽はまだ出ていませんでしたが、きっと土の中で力をためているんじゃないかと思います。



★白菜・サニーレタス苗の様子★
各班の芽 指導  同じく先週、ポッドに種まきをして、各班で持ち帰っていた白菜とサニーレタスの苗が集結しました。同じ土、同じ種、同じ日、同じ講師という条件でしたが、各班育成状況は様々でした。自分だけで育てていると自分の苗が普通と思えますが、他の人と比較して、芽がまだ出ていないとか、まだ小さいとか、ちょっとひょろひょろしていると途端に気になります。何が悪かったのだろうか?うちの班の苗は虫に食われていました。ナメクジも苗を食べるそうです。這った痕がないので、他の虫だろうということでした。そんな場合、何か台の上にポッドを置くといいそうです。また、種は水につけて一晩冷蔵庫の中に入れておく一斉に発芽するそうです。温度を一度下げることによって、種の状態がリセットされるそうです。参加者から最初から言ってほしいとの声がありましたが、先生曰く、「失敗しないと学ばないので最初からは教えない。」なるほど、納得いくような、いかないような。たしかに、何事もマニュアル通りにやってもうまくいかないのは確かかもしれません。農業塾の目的は、野菜をみんなでつくることではなく、無農薬野菜の作り方を学ぶのが目的なので、失敗は大歓迎と考えたほうがいいのかもしれません。しかし、種まきで取り返しのつかない失敗をしてしまうと、その後何もできなくなってしまうので失敗は程ほどに。
 他の症状としては、発芽にばらつきがある⇒特に問題なし。ちょっとひょろひょろしている。⇒直射日光はよくないが、明るいところに置くこと、といった内容でした。新たな注意事項はそんなところだろうか。各班の担当者はバトンタッチしてしたようだ。ということで、次週までサニーレタスの苗の面倒をみることになった。苗の様子はまんまのまんまブログで紹介していく予定です。それにしても台風が迫ってきているのがちょっと心配です。家の中にいれるしかないかなぁ。



★EMボカシについて★
EMの説明 EMの説明 EMの説明  今回の内容は、EMボカシを作ることだ。まずは「やまのぶ」の社長からEM活性液の作り方の説明があった。まずEM1だが今回あまり詳しい説明がなかったので、自分で調べた補足も加えて説明します。
 微生物には人間にとって、有用な善玉菌と、害をもたらす悪玉菌がいます。EMはいくつかの善玉菌を組み合わせたもの。EMに含まれている菌は酒、みそ、チーズなどの発酵食品に使われているものと同じです。人にとって有用なものは安全であり、植物、動物にとっても有用なもので、農業、畜産業、水質改善に使われています。しかし見た目は、オレンジというかかに味噌というか、ちょっと気持ち悪い色です。もう少し詳しい内容を以下に書きます。

 

 ●EMについて

  ●Effective Microorganisms (エフェクティブ・マイクロオーガニズムス) の略語で複数の善玉菌を共生させた微生物資源。

  ●EMの特徴
    ●自分で手軽に有機肥料を作ることができる。一般に売っている有機肥料には化学肥料が混ざっている。
     そうでもしないと簡単に野菜がつくれない。本当の有機肥料で作る野菜はおいしいが、作るのは大変。
    ●安く肥料を作ることができる。
    ●EM活性液はいろいろな用途に使える。台所、トイレのにおい消し等。
    ●世の中に完璧な肥料、農法はない。EMボカシを使った場合3年目くらいに苦労する。
     EMの菌を食べる虫が寄ってくる。

  ●EMに含まれている代表的な善玉菌は光合成細菌、酵母、乳酸菌、放線菌、糸状菌
    ●光合成細菌:有害物質からビタミンや植物の養分を合成するEMの中の主役
    ●酵母:ビタミンや生理活性物質を作り出し、植物や他の有効菌の活性化を増進する
    ●乳酸菌:有害物の腐敗を防ぎ、発酵を進め、有効な養分にする
    ●放線菌:抗生物質を生成し、カビや病原菌を抑制する
    ●糸状菌:麹カビと同じ発酵系の菌で、有機物の有用発酵に導く働きをする

  ●EMの種類
    ●EM1:あらゆるEM活用技術の基本になる。
    ●EM2:生理活性物質が主な成分です。ホルモンの代用、悪臭除去、好気分解の促進などに使用します。
    ●EM3:EMの中心的な役割を持つ光合成細菌が主体となっています。
    ●EM・X:EMの持つ抗酸化力を強化した清涼飲料水です。EM・Xの中に微生物は入っていません。

  ●EMの製造元
    ●界M研究所    静岡県
    ●泣Tン興産業   沖縄県

  ●EMの価格
    ●EM1で約2000円/リッター

   今回はEM1を使って、EM活性液を作り、その活性液をつかってEMボカシをつくる。
 次にEM活性液だが、EMは微生物の集まりなので、餌をあげることによって、繁殖させることができる。それがEM活性液だ。
   

 ●EM活性液(4L)の作り方

  ●材料
   @EM1    200cc
   A水    3800cc(水道水の場合は1晩置いてカルキを飛ばす)
   A黒砂糖  800g(糖分であれば餌になるが、黒砂糖がEMにとって食べやすいようだ)

  ●作り方
   @水(1L)と黒砂糖を鍋にいれ、混ぜながら火にかけ、糖蜜をつくる。
   A糖蜜と残りの水をまぜ、温度が40度くらいになるまで冷やす。菌は60度で死んでしまうので注意。
   B冷ました糖蜜とEM1をまぜ、ペットボトル等の密閉できる容器にいれる。
   C15度以上で、直射日光があたらない場所で、夏場で1週間〜10日間保管する。
    ベストは38度〜40度で3日で発酵完了。
    菌は15度以下では活動しないので、何日置いても発酵しない。
   D菌が活動すると、ガスを発生する。容器が破裂しないように、1日1回はガス抜きをする。
     また、菌の育成バランスが偏らないように、1日1回は攪拌する。

  ●保存方法、その他注意事項
   ●EM活性液は冷蔵庫等15度以下で保存すれば1年〜2年程持つ。
   ●EM活性液にさらに糖蜜を加え培養はしない。かならず、EM1の原液から培養する。
     1LのEM1から20Lの活性液が作れる。
   ●腐ったにおいがした場合は菌が死んでいる。正常であれば糖蜜の甘い香りがする。

  ●EM活性液の使い方
   まだ実践していないので、やってみたらブログへアップします。
    ●EMボカシ用
    ●土壌改善:畑に水で1000倍に薄めたEM活性液をまく。
    ●洗濯:洗濯物を水で薄めたEM活性液につけておく。洗剤が半分で綺麗になる。
    ●におい消し、ぬめり取り:水で薄めたEM活性液をスプレーで台所の流しへ散布。

  ★EMボカシについて★ 
まぜる 材料あつめ 袋にいれる






 実際に作ってみました。すべての材料で50Kgほどあるのでかなりの量ができます。まずは米ぬか、菜種油カス、魚粉を混ぜます。匂いはほとんど気になりません。分量はそれほど気を使わなくていいようです。次に水にEM活性液をいれます。このときEM活性液の匂いを嗅いでみましたが、臭さはなく甘い黒砂糖の匂いがしました。これが正常な匂いのようです。すべての材料を丁寧に手でまぜ、袋につめました。各自家に持ち帰り、どのようになるか観察することになりました。その後は自分の畑に蒔きたいので、ちょっと多めにもらってきちゃいました。そして、EM活性液も班のメンバーで分けることになりました。また家で使ってみて結果を書きたいと思います。


 ●EMぼかしの作り方

EM活性液を使って、EMボカシをつくる。これは、追肥用になる。
 ●材料
  @EM活性液   400cc
  A水        8L
  B米ぬか    24Kg
  C菜種油カス  12Kg
  D魚粉      4Kg

 ●作り方
  @材料をすべて混ぜる。だまができるので、手で丁寧にまぜた方がよい。
  A握って固まるようであれば水分はちょうどよい。崩れるようであれば水を足す
  B混ぜた材料を袋へいれ、空気を抜き口を縛る。
  C直射日光が当たらない場所に1週間程保管して出来上がり

 今回の農業塾はこれで終了。次回はサニーレタスと白菜の植え付けの予定でしたが、ちょっと間に合わないようなので、大根の間引きと今回作ったEMボカシの追肥を行うことになりました。そして、植え付けは再来週に。元々月1回の予定が毎週になってきました。ちょっとうれしいけど、これから毎週予定をいれることができない。講師の方からは、「有機農法は週1回の作業では無理で毎日何らかの仕事があります」とのことでした。確かに。



[前回:オイスカ農業塾 第1回 ジャガイモと大根の植え付け]

[次回:オイスカ農業塾 第3回 大根間引きと追肥]

[オイスカ農業塾 メイン]

まんまのまんまトップ