御蔵島ドルフィンツアー 2日目  2004.08.22〜24

嵐の夜明け/イルカ発見!!/急げや急げお買い物タイム/さよなら御蔵島





★嵐の夜明け★
港  ドルフィンウォッチングには朝6時出発予定だったため、5時半に起床した。外は風と雨で大荒れ、とても外に出る気になれなかった。フランケンと天気予報を見ながら、イルカを見るために命かけてもなぁと話しながら諦めムードだった。まぁ船が来るまでのんびりしてますか。。。大吾のところへ訪れるとすでに起きていた。「今日はダメでしょ?」と聞くと「これくらいなら行くでしょ。」と想定外の返事が返ってきた。なに?行くのか。さっきまで命は大事とか言ってたけど、スタッフが行くというなら安全だろう。もう、何がなんだかわからないまま、準備を開始した。準備を終え、外に出てみるとちょっと小雨になっていた。あれれ、ちょっとラッキー!!。港につくと風と波は強いけど、雨はまったく気にならない。みんなにもリラックスムードが漂っていた。しかし、船を出すのはうちらの1艇だけだった。

★イルカ発見!! 〜気持ちが伝わった〜★
イルカを探せ 滝  船に乗りこみ、港を出ると凄い波だった。船は木葉のように揺れ、つかまっていないと怖いくらいだった。西の方から風と波が来ていたので、東の方へ進んでいくと、波はかなり収まってきてみんな一安心。しかし、海が荒れているのは事実であり、ちょっと元気もないのも確かだ。島を見ると、どこも絶壁だ。今も侵食は進んでおり、そのうち御蔵島は無くなってしまうとみちおさんは冗談を言っていた。その昔は、御蔵島も絶壁ではなく、なだらかな地形だったかもしれない。そうでないと、縄文時代や、13世紀に上陸することすら難しかったように思える。絶壁のいたるところに滝が見える。昨晩の雨によって出現した滝もある。まんまは屋久島に行った事が無いのだが、みんなは屋久島みたいだと言っていた。御蔵島は降水量が多く、伊豆七島で唯一水力発電所がある。雑談をしながら船に乗ってから15分くらいたっただろうか、突然、「イルカがいた!」と叫び声が聞こえた。え、本当に居るの?おお、時折せびれが見える。どこどこと、みんなのテンションが急激に上がった。イルカが居たとしても、興味が無い場合は過ぎ去ってしまうこともある。みちおさんは一人冷静に船を操作して、イルカの様子をうかがった。どうやら、イルカの方から近づいてきてくれたようだ。特に指示はなかったが、すでに全員マスクを装着して準備万端だった。みちおさんの合図とともに次々に海の中に静かに入っていった。静かに入らないとイルカが驚いて逃げてしまうのだ。海中に入ると思ったより視界が悪い。しかし、イルカの鳴き声が聞こえてくる。みちおさんはその昔、声は聞こえるが、姿が見えないのが怖かったと言っていたが、今は姿が見えないと焦るばかりだ。思わず、思いっきり泳いでしまった。
すーっと横切る 何をしているの?  昨日のことを思い出した。追えば相手は逃げてしまう。とゆっくり水面を漂っていたら海底付近にすーっとイルカが現れた。ハヤル気持ちを押さえ、じっとしていると、垂直にゆっくりイルカが近づいてきた。目の前までくるとぴたっと止まり、ゆっくり回転してお腹を見せていた(写真→)。犬が信頼できる人にお腹を見せるようでもあり、「何しているの?」と話しかけてきているようにも思えた。あまりの感激に言葉はでなかったが、イルカとの対話を楽しめたような気がする。フランケンが昨日の晩におまえが魚を逃がしたと言われた時はちょっと凹んだが、今は感謝感謝。ありがとう。
撤収 急旋回  その後は写真を撮るので一生懸命だった。視界は悪かったが、あちこちにイルカがいた。デジカメだと反応が鈍くなかなかタイミングが合わないのにちょっとイライラ。辺りを見まわすとそれぞれ、イルカとの一時を楽しんでいたようだ。あやちゃんとゆうちゃんは潜ってイルカと一緒に泳いでいるようだった。実際楽しんだのは10分くらいだったかと思う。イルカはどこかへ行ってしまった。船に上がってからも、みんなの興奮は収まらない。まるで、子供のようにはしゃいでいる。同時にみんな喋るので、あまり聞き取れなかった。(笑)みんなは大満足だったが、イルカはそうでもなかったようだ。みちおさんは「イルカは遊びたかったようだけど、みんなが見ているだけで遊んでくれなかったのでちょっと飽きちゃったかな?」と言っていた。そうか、もっと遊んであげればよかったんだ。イルカは同じ事をすると喜ぶようだ。よし、ガゼンやる気アップだ。
2ショット 2ショット  また、船を走らせ、イルカを捜す。しばらくしてまたもやイルカ発見。もしかしたら、先ほどのグループかもしれない。今度こそは遊ぶぞ。海の中に入ると、ずっと並んでいるイルカがいた。一頭は白くてちょっと小さい。親子かな?イルカはオスとメスの集団にわかれて行動する。メスの集団の中には、子供を産んだことがない若いメスもいる。若いメスは、他の子供のベビーシッターになって、子育てを学ぶのだ。イルカの中にも社会があることに感心してしまった。ということで、その場では親子なのか、ベビーシッターなのかはわからなかったが、後から、シャクレが子供を連れていたという話しがあった、シャクレだったら親子かもしれない。御蔵島ではイルカの固体調査をしていて、一頭毎に名前をつけている。シャクレは今年出産したそうだ。今回は、イルカと泳ごうと思ったのだが、水中カメラを持っているとどうも泳ぎにくい。カメラを置いていけば良かったとちょっと後悔した。後から聞いた話なのだが、まんまの周りに結構イルカが近寄ってきていたらしい。全然気がつかなかった。ごめんよ、せっかく遊ぼうとしてくれたのに、相手にならなくて。 今回も遊んでくれたのは10分くらいだったと思う。その後、もう一度イルカと遭遇したが、移動中だったようで、そのまま通りすぎてしまった。居たからといって必ず遊んでくれる訳でもない。港に帰る途中で、「なかなかイルカに会えない人もいるのに、今日はこんな天気で、しかも他に船が出ていない中で、イルカに出会えてラッキーだったね。」と話していた。その話しの結論は、「ラッキーなんかじゃなくて、みんなの気持ちがよかったんじゃないかな。」ということになった。あまりにも会いたいと言う気持ちが強すぎると人も動物も警戒してしまう。天候が悪くちょっと諦めムードで、ただ単に海にいる同じ生き物だった事が、今日の結果につながったんだな。これから、いろいろなフィールドに行く時、何度となく今日のことを思い出すだろう。

★急げや急げお買い物タイム★
買い物 鉄砲場Tシャツ  宿に戻って、お風呂に入り、手早く荷物をパッキングした。荷物を車に積んでお買い物タイムだ。今回の宿「鉄砲場」ではオリジナルTシャツを売っていた。かとけんとゆうちゃんが購入していた。手染めでとても綺麗なTシャツだ。まんまはサイズがなかったので、買わなかった。船が出るまでにもう1時間もない、港まで買い物しながら歩いて行く。御蔵島には観光地ではどこにでもある大きなお土産屋さんがない。ぽつぽつとこじんまりとしたお店がある程度だ。3日間も会社を休んでしまったので、会社の同僚にお菓子でも買って帰ろうと思っていたのだが、売っていなかった。ちょっと予想外だった。でも、そんな観光地化されていないところがとてもいい。ツアー全体的にのんびりしていたのに、最後の買い物は時間がなくて、ゆっくり見ていられなかった。まんまはつげの木で作ったイルカのしっぽストラップ、ほうらく焼、「みくらの森は生きている」という御蔵島の本を購入した。
船がきた 港へ  予定通りに港についたが、天候が悪く船は遅れていた。たしかに、昨日泳いでいた港は大荒れで、1日違っていたら何もできなかった。乗る船は大島までで、そこから乗り換えて竹芝へいく。御蔵島発の船が遅れても大島発の船は待ってくれない。大島宿泊の可能性もでてきた。スタッフは大忙しで、あちこちと連絡を取っている。どうせ、明日も会社休む予定だし、大島宿泊かぁそれもいいなぁ。船は30分遅れで到着した。乗り換え時間が40分なので、ぎりぎりだ。とにかく船に乗りこむことになった。

★さよなら御蔵島★
またくるね またきてね  港に多くの人が集まった。みんな予定を変更して帰るようだ。各宿の人も集まってきた。見送りに来てくれたのだ。でも、驚いたことに船から下りてくる人もいた。これから台風が近づいてくるのにどうやってすごすのだろうか?港にいても、船は大きく揺れていた。貨物船なので、コンテナの積み下ろしをしていたが、船がゆれて大変そうだった。後部デッキに上がり、御蔵島の人の最後の挨拶だ。ちょっと距離があったので、声は届かなかったが感謝の気持ちを込めて手を振った。ありがとう。またくるね。
 やがて船は出航した。沖の海は黒っぽい青色をしていてとても綺麗だった。黒潮とはその名の通りなんだな。御蔵島がだんさん小さくなってきた。すると島の右端から、霧が御蔵島を序々に覆いはじめた。2,3分で御蔵島はすっぽりと霧につつまれ、まったく見えなくなってしまった。まるで、御蔵島は黒潮に浮かぶ「天空の城ラピュタ」のようだった。「みくらの森はいきている」とい本に、子供たちが台風で痛んだ土地に植樹した森の名前が「子供の森『御蔵』ラピュタ」と命名したと書いてあった。ラピュタにも御蔵島にも巨樹がある。改めて、すてきな所に居たんだなぁと思った。その後は揺れがひどくなったため、船内に入り寝ることにした。また、船の中は寒かったが毛布が足りなかったので、レインウェアを防寒着にして寝た。いつも間にか、大島に近くまで船は来ていた。どうやら、余裕で大島に着くようだ。まんまはそこで大島からみんなと別れて熱海行きの船に乗ることにした。その方が早いし、近いし、安いし、ラクチンだ。ちょっと淋しいけどね。
集合写真  振りかえると、中止かもしれない状況で集合し、すぐに全員が打ち解けた。御蔵島についたらイルカが港でお出迎え、御蔵島のこと、イルカのこと、シュノーケルやマスクの使い方を学び、イルカになり、御蔵島になったアイスブレイクゲームも楽しかった。シュノーケリング講習では海ガメにも会えた。外にいる時は雨も振らず、帰ってくると雨が振りだし、出かけると雨が止んだ。みちおさんの話しも楽しかった。大雨が止み、諦めムードだったがイルカに会うこともできた。ぎりぎり船に乗ることができ、大島での連絡もうまくいった。なによりも、御蔵島はいいところだし、、御蔵島の人も良い人だった。そして、スタッフ、参加者も面白く、最高のツアーだった。最後にみんなと大島で別れる時には「また来年御蔵島で会おう」と言ってお別れした。熱海行きの船に乗りこむと、一人でいるのが凄く淋しかった。そういえば、みんなで振りかえりを共有していないことに気がついた。竹芝まで一緒に行けばよかったとちょっと後悔した。でも、来年もきっと会える。その時は思いで話しをつまみにうまいビールを飲んでいるであろう。



今回のリンク
 ・スタッフ大吾の本職?地球と人のかけはし『アースコンシャス』
 ・参加者じゅんじゅんの純JUN漫遊記
 ・イルカの住むしま御蔵島の発掘者 宇津孝さん宇津孝の海山風土記
 ・今回のドルフィンツアーはBeGood Cafeが主催でした。


BeGood Cafe 御蔵島 ドルフィンツアー 1日目
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